大阪府能勢町の野外活動施設「豊中市立青少年自然の家わっぱる」には哺乳類から植物や菌類まで、実に様々な生きものが棲んでいます。 しかも、その一つ一つを観察していくと、それぞれが生きていくために複雑に繋がり合い、森をつくっていることがわかってきます。ここでは、その小さな一つ一つの命を紹介しようと思います。
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2019年11月22日金曜日

ヒメツチハンミョウ

今回はヒメツチハンミョウを紹介したいと思います。

















大きさは大体7ミリ~23ミリほどです。
春先や秋の終わりごろに活動し、成虫のまま冬を越す成虫越冬をします。















草地などで見かけることができますが、触ると死んだふりをして黄色い液体を出します。
黄色い液体はカンタリジンという有毒物質を含んでいるので注意が必要です。

この時期にヒメツチハンミョウを見かけると、もうすぐ冬だなぁという気持ちにさせられます。(Ka)

2019年8月23日金曜日

ルリボシカミキリ

ルリボシカミキリです。大きさ14~30㎜ほどの中型のカミキリムシですが、色が鮮やかなブルーでとても目を引き、虫好きにとっては大変人気のあるカミキリムシでもあります。7月末から8月に現れます。幼虫はコナラなど各種広葉樹の倒木や伐採木で3年ほどかけて育ち、成虫は花粉や樹液を食します。日本の固有種で各地にいますが生息地は限られているようで、大阪府レッドデータでは絶滅危惧Ⅱ類に指定されています。わっぱるの森は広葉樹が多く、また、倒木・伐採木もあるので、この虫の生息環境に合致しているのかも知れません。このルリボシカミキリが飛んでいるのを目にすると森全体が一層美しいものに思えてきます。(De)

2019年8月11日日曜日

ヒラタクワガタ♂

やや平たい大型のがっしりとした体型のクワガタムシで、ミヤマクワガタ、ノコギリクワガタとともに日本の代表的なクワガタムシです。本州・四国・九州に生息しますが、西南日本に多い傾向があります。また、朝鮮半島から東南アジアにかけて多くの亜種が存在し、交雑による遺伝子汚染が懸念されている種でもあります。大きさは19~81㎜(オス)と個体により幅があり、小さいほど背中の光沢が増す傾向があります。幼虫はクヌギ・コナラなどの広葉樹の朽木や倒木で育ちます。一年あまりをかけて羽化し成虫になります。そしてこの種は成虫で越冬をします。(De)

2019年8月6日火曜日

カブトムシ♂

カブトムシ♂とカナブンたち
クワガタとならんで人気者のカブトムシです。オスには頭部に大きな角、胸部に小さな角があります。樹液に集まり、同じく樹液を好む他の虫たちを角を使って豪快にほうり投げていい場所を占有します。その勇姿から「虫の王様」と呼ばれ、子どもたちの注目を集めている虫です。大きさは32~53mmですが、大きいものは80ミリに達するものもいます。幼虫は朽木ではなく、腐葉土の土の中で育ちます。孵化後、2回脱皮をし、3零幼虫になり越冬します。翌年、夏前には蛹になり、夜間の気温が20度を超えるころに羽化します。カブトムシは真夏のこの時期に交尾、産卵をし、野性のカブトムシたちは本格的な秋を迎えることなく、死んでいくのです。(De)

2019年8月3日土曜日

ミヤマクワガタ♂

夏本番です。昆虫たちの活動が最も活発な時期で、子どもたちが夢中になる虫たちが登場しています。その一つ、ミヤマクワガタです。
1~2年の幼虫期を経て蛹から羽化します。成虫はコナラ、クヌギなどの樹液に集まり、灯火に来ることもあります。大きさには幅があり、オスでは30~79㎜で画像のものは大きい方です。オスもメスも脚の付け根部分(腿節)に黄色い長楕円形の模様があります。大型のオスは頭部に耳の形の突起があり、これが男性的(?)なかっこ良さを際立たせていると思います。また、オスの体の表面には黄褐色の細かい毛が密生していて、光線によっては金色に輝いて、一層、雄雄しく見せます。けれども、野外で生きる個体は冬を越すことはないのです。(De)

2019年7月20日土曜日

ミドリカミキリ

ミドリカミキリです。大きさ12~20㎜ほどの小型で細く、スマートなカミキリムシです。色は緑色の強い個体、赤銅色のもの、その中間のものと多様です。成虫はガマズミ、ウツギなどの花粉を食べますが、コナラ、クヌギなどの伐採木や薪にもよく飛来します。幼虫はそれら広葉樹の材を食べて育ちます。美しいカミキリムシですが時にはしいたけ栽培のほだ木が食害を受けることもあります。(De)

2019年7月13日土曜日

セマダラコガネ

長さ10㎜ほどのコガネムシのなかまで、北海道から九州まで、普通にみることができます。上翅のまだら模様が特徴ですが、個体間の変異が大きく、なかには全体に黒っぽいものもいます。とても愛らしい風貌ではありますが、幼虫は芝生の根を食害し、ハワイやアメリカ本土では帰化害虫として悪名をとどろかせているようです。ところ変われば・・・
ですね。(De)

2019年7月9日火曜日

オサムシのなかまたち

 オサムシとは一般的に甲虫目オサムシ科オサムシ亜科のうち比較的大型の一群をいいます。オサムシのなかまはカタビロオサムシのなかまを除き、下翅(飛ぶための内側の羽根)が退化して無く、行動範囲が狭いために地域ごとに種分化が進んでいて色などでそれぞれの特徴があります。
食性は雑食性ですが、肉食性が強く、ミミズや他の昆虫を捕食するので、しっかりした大顎(あご)を持っています。
わっぱるでは現在、3種のオサムシのなかまが確認できていますのでそれを紹介します。

マヤサンオサムシです。このオサムシは北陸から近畿地方にかけて分布している種で、美しい赤銅色をしています。
マイマイカブリです。もっぱらカタツムリを捕食するので、殻に引っ込んで身を守るカタツムリを捕らえるために、頭部から胸部にかけて細長いこのような特異な形に進化したと考えられています。
また、マイマイカブリは尾部から酸性の刺激のある液体を噴射します。皮膚につくと炎症を起こしたりしますので安易に素手で掴んだり、顔を近づけたりすることは避けなければなりません。
クロカタビロオサムシです。ガッチリとした幅の広い体型が特徴でガの幼虫を好んで食べます。また、このオサムシは飛ぶことができるので、生息範囲も広く、地域による変異は見られない種です。
オサムシは愛好家・標本の収集家も多く、漫画家の手塚治虫氏が自身のペンネームにしてしまったことは有名です。(De)



2019年6月14日金曜日

ハネカクシのなかま

昆虫の世界は多様です。その中でもハネカクシのなかまはマニアや専門家以外、あまり脚光を浴びることのないどちらかというと目立たない存在です。しかし、ユニークな昆虫ではあります。アリのようなこのスタイル、でも甲虫目(こうちゅうもく)で小さな上翅の下にカブトムシやクワガタムシ同様、飛ぶための羽根がたたんでしまわれています。
急に飛び立ってトラップ(わな)から飛び出しました。
用がなくなればまた、しまわれます。
このハネカクシ、種類によっては皮膚炎を発症する体液をだすものもいるので、素手で触れないよう注意が必要です。(De)

2019年6月8日土曜日

ハナムグリのなかま

アオハナムグリです。花粉が好物で、花の中にもぐりこむのがこの名前の由来です。緑色の地に白い斑紋が入るこのデザインの種は多く、判別も容易ではありません。よく似たなかまにハナムグリがいます。ハナムグリは全体に毛深いので区別することができます。また、同じくよく似た種にキョウトアオハナムグリがいます。
「京都」と名前に入っていますが、関東地方南部以南の日本に広く見ることができます。画像のものはオスですが、メスはやや赤みのある金属光沢をしています。特徴は前胸部に白斑が入っていること、上翅(背中の硬い羽根)の付け根が少し窪んでいること、三角形の部分がやや赤みがかっていることで見分けることができます。
 そのほか、ハナムグリのよく似たなかまには樹液にもよく集まる「シロテンハナムグリ」や「シラホシハナムグリ」などがいます。見分けは簡単ではありませんが「何というハナムグリかな?」と調べてみるのもこの虫たちとの出会いの楽しみでもありますね。(De)

2019年6月1日土曜日

ホタルカミキリ

わっぱるの一角に風で倒れたり、間伐などで伐った樹木をさらに切って薪にするために乾燥させる棚(通称「まき小屋」)があります。
ここには、半分くらいはコナラですが、そのほか何種類かの広葉樹の伐採木が積まれています。
そこにこの虫が集まっています。






ホタルカミキリです。大きさは7ミリ~10ミリほどの小型のカミキリムシですが数は半端なく多いです。
カミキリムシの多くは特定の生木や枯れ木・倒木あるいは伐採された木で幼虫が育ちます。
そのため、しばしば植林された生産財や街路樹などの樹木を食害し、害虫として人間からお尋ね者扱いされます。図鑑などによるとこのホタルカミキリはネ
ムノキその他の広葉樹とありますが、ここの「まき小屋」では数種類ある広葉樹のうち、圧倒的の割合でイヌエンジュに止まっています。どうやらマメ科の伐採された木を好むようです。
まきにする木なのでそこは大目にみることにしましょう。(De)







2019年5月25日土曜日

クロホシタマムシ

美しいタマムシが見つかりました。タマムシの代表格であるヤマトタマムシは大きさが普通25~40ミリなのに対し、このクロホシタマムシは10ミリ程度と小さいのですが美しさはひけをとらないほどで、緑色からオレンジ色にかけてのグラデーション風金属光沢は生唾ものです。ヤマトタマムシが盛夏に現れるのに対し、これは5月ころからコナラ・クリなどが生える広葉樹林に現れますが、目にすることは少ないと感じます。近縁で非常によく似た種に「マスダクロホシタマムシ」というのがいますが、黒い星の配列が少し異なり、針葉樹林に現れます。
まるで森の宝石のようですね。(De)

2019年5月21日火曜日

オオセンチコガネ

ひときわ美しく輝くコガネムシの一種です。大きさは2センチほど。色彩も変異が多く、緑色に輝くもの、赤紫のもの、また、特に奈良地方のものは青く輝くものが多く、「ルリセンチコガネ」とも呼ばれます。しかし、その姿とは裏腹に生態は美しいと言えるものではありません。この虫の好物は獣糞や動物の死骸で、メスは獣糞に卵を産みつけ、幼虫は糞の中で育ちます。「センチ」とは「せっちん(雪隠)」で、昔のことばでトイレのことを指します。とはいえ、変化に富んだ美しさで私たちの目を楽しませてくれることに違いはありません。(De)

2019年1月27日日曜日

オオユミアシゴミムシダマシ

コナラの薪割りをしていたら、中から出てきました。越冬成虫です。それにしても長い名前ですね。前脚の一部が湾曲した大き目のゴミムシダマシのなかま、といった意味でしょうか。「ゴミムシダマシ」というのは「ゴミムシに似てるがゴミムシではない」といった意味ですが性格はずいぶん違います。ゴミムシはオサムシ科のグループで、基本的に肉食で、動きも素早く、獰猛な感じです。一方、ゴミムシダマシの多くは朽木やキノコ食で動きもゆったりとしていておおらかな気性といった感じで、哺乳類でいえば、ヒョウとナマケモノほど違います。(あくまで個人的な感想)噛み付くこともないので、比較的親しみやすい虫です。「ゴミムシ」にしても「ゴミムシダマシ」にしても虫たちに申し訳ないようなネーミングですね。大きさ27ミリ。1月26日撮影。(De)