大阪府能勢町の野外活動施設「豊中市立青少年自然の家わっぱる」には哺乳類から植物や菌類まで、実に様々な生きものが棲んでいます。 しかも、その一つ一つを観察していくと、それぞれが生きていくために複雑に繋がり合い、森をつくっていることがわかってきます。ここでは、その小さな一つ一つの命を紹介しようと思います。

2019年7月9日火曜日

オサムシのなかまたち

 オサムシとは一般的に甲虫目オサムシ科オサムシ亜科のうち比較的大型の一群をいいます。オサムシのなかまはカタビロオサムシのなかまを除き、下翅(飛ぶための内側の羽根)が退化して無く、行動範囲が狭いために地域ごとに種分化が進んでいて色などでそれぞれの特徴があります。
食性は雑食性ですが、肉食性が強く、ミミズや他の昆虫を捕食するので、しっかりした大顎(あご)を持っています。
わっぱるでは現在、3種のオサムシのなかまが確認できていますのでそれを紹介します。

マヤサンオサムシです。このオサムシは北陸から近畿地方にかけて分布している種で、美しい赤銅色をしています。
マイマイカブリです。もっぱらカタツムリを捕食するので、殻に引っ込んで身を守るカタツムリを捕らえるために、頭部から胸部にかけて細長いこのような特異な形に進化したと考えられています。
また、マイマイカブリは尾部から酸性の刺激のある液体を噴射します。皮膚につくと炎症を起こしたりしますので安易に素手で掴んだり、顔を近づけたりすることは避けなければなりません。
クロカタビロオサムシです。ガッチリとした幅の広い体型が特徴でガの幼虫を好んで食べます。また、このオサムシは飛ぶことができるので、生息範囲も広く、地域による変異は見られない種です。
オサムシは愛好家・標本の収集家も多く、漫画家の手塚治虫氏が自身のペンネームにしてしまったことは有名です。(De)



0 件のコメント:

コメントを投稿