大阪府能勢町の野外活動施設「豊中市立青少年自然の家わっぱる」には哺乳類から植物や菌類まで、実に様々な生きものが棲んでいます。 しかも、その一つ一つを観察していくと、それぞれが生きていくために複雑に繋がり合い、森をつくっていることがわかってきます。ここでは、その小さな一つ一つの命を紹介しようと思います。

2019年12月7日土曜日

アカマツは今・・・

私が子どもの頃、ここでキャンプをしたとき、ここわっぱるのキャンプサイトあたりはアカマツ林でした。数十年前のことです。私が大学生になり、キャンプカウンセラーとして活動していたとき、アカマツはまだたくさん生えていました。今、アカマツは多くが枯れ、替わってコナラ、サクラのなかま、リョウブなどの広葉樹主体の森へと移りつつあります。枯れたアカマツは育ってくる広葉樹を見下ろしながら呆然と立ち尽くしているかのようです。
このままでは大きな枝が落ちたり、風で倒れたりして危険なため、伐倒(伐って倒すこと)しなくてはなりません。
今週は大きなアカマツだけでも2本伐りました。
年輪からするとおよそ80歳です。
伐ったアカマツを薪などにするため、玉切りといって小さなサイズに切り揃えます。



一旦、玉切りした木を広場に集めます。今週はここまで。さらに太い木を縦割りにし、乾燥させれば立派な薪になるのです。
玉切りしたアカマツの一部はファイアスツールとしてまだまだわっぱるに貢献してもらうことにしました。
森を構成する樹種の組み合わせは遷移しつつありますが、多種多様な木々たちがいつまでも子どもたちが森と出会う感動を演出し続けて欲しいと願うばかりです。(De)

2019年11月22日金曜日

ヒメツチハンミョウ

今回はヒメツチハンミョウを紹介したいと思います。

















大きさは大体7ミリ~23ミリほどです。
春先や秋の終わりごろに活動し、成虫のまま冬を越す成虫越冬をします。















草地などで見かけることができますが、触ると死んだふりをして黄色い液体を出します。
黄色い液体はカンタリジンという有毒物質を含んでいるので注意が必要です。

この時期にヒメツチハンミョウを見かけると、もうすぐ冬だなぁという気持ちにさせられます。(Ka)

2019年11月1日金曜日

カメムシ

11月に入り、大分肌寒くなってきました。
今日はこの時期によく見かけるカメムシを紹介したいと思います。















今の時期、洗濯物を取り込むと服にカメムシがくっついてることがあるかと思います。
取ろうとすると嫌なニオイをつけられたことがある方も多いのではないでしょうか?




















そんなカメムシですが、冬は集団で越冬します。
朽ち木の中や家の温かい場所を好んで冬を越すようです。(Ka)

2019年10月4日金曜日

栗(クリ)


夏も終わり、過ごしやすい季節になりました。
秋になるとわっぱるにはクリが落ち始めます。














日本ではほんのりとした甘さを生かして甘栗や栗ご飯の具、お菓子の材料等によく使われています。
日本人にはなじみ深い食べ物の一つと言えますね。(Ka)



2019年9月11日水曜日

ニホンミツバチ

たくさんのニホンミツバチが固まりになって群がっています。分蜂(ぶんぽう)です。分蜂とは一つの巣の中で新しい女王蜂が生まれるとそれまでの女王蜂は約半数の働き蜂たちとともに新しい巣を求めて古い巣を出ます。つまり、子どもの世代に住んでいた家を譲って出ていくという習性があるのです。そして、新しい場所を探す担当の働き蜂が新しい棲家を見つけるまで、一旦、女王蜂を中心にしてこのように塊になるのです。
 こんな蜂の大群を目にすると、とても恐ろしく感じますが、ミツバチのなかまは蜂の中でもいたって大人しい種で働き蜂(全てメス)は毒針を持っているものの、巣を襲ったりしない限り人を刺すことはありません。そのため、人工的な巣箱で飼育され、人間においしい蜂蜜を提供してくれます。
 とはいっても、市販されている蜂蜜のほとんどはセイヨウミツバチという外国由来の種の蜂蜜です。ニホンミツバチの飼育はセイヨウミツバチと較べてずっと難しいようです。それでも、ニホンミツバチの蜂蜜は高値で取り引きされるため一部の養蜂業者では飼育され、蜂蜜が市販されています。また、一部の愛好家は飼育に挑んでいます。愛好家によるとニホンミツバチは「可愛くてたまらない」そうです。
 この2種類は見かけ上よく似ていますがセイヨウミツバチがやや大きく、腰のあたりの黄色っぽい帯が目立つことで見分けることができます。平野部の公園の花壇などではこの2種類のミツバチが花に集まり、蜜や花粉を集めている様子を観察できることもあります。(De)
ニホンミツバチ

セイヨウミツバチ(宝塚市で撮影)

2019年9月6日金曜日

ヤマカガシ

 蛇嫌いの方には申し訳ありません。今回は毒のあるヘビ、ヤマカガシの紹介です。わっぱるでは頻繁に見る生き物であり、また、注意を要する生き物でもあるので、掲載することにしました。
大きさは70~150cmで、模様は地域による変異が多く、関東地方では赤・黒・黄色の斑紋がはっきりしているのに対し、関西地方はオリーブ色などの単色のものが多いとされていますが、個体差もあり、はっきりとした模様のものもいます。ほとんどの個体は頚のところに黄色の模様がありますので、それで見分けることができます。
はっきりとした模様の個体
カエルが好物ですが水に入りオタマジャクシや魚も捕らえて食べます。よほど危機に瀕したときのほか、捕食のため以外にヤマカガシの方から噛み付くことはありません。毒は口の奥にある小さな牙から出します。しかし、首の後ろにある頚腺からも毒液を出しますので、噛まれなければ大丈夫と考えて頚のところを素手で掴むことは危険です。
2017年7月、兵庫県伊丹市の小学5年生の男子がヤマカガシに噛まれ、意識不明になったことがニュースで流れました。自分のカバンの中に入れて持ち歩き、取り出そうとして、手を入れたときに噛まれたようです。さすがに、このときのヤマカガシは身の危険を感じ、逃げ出そうと必死の行動だったと思います。
 生息場所は水辺や湿地とされていますが、わっぱるでは割とどこにでもいます。ヤマカガシと出会ったときはほとんどの場合向こうから去って行きますのが静かに見守ってください。(De)

2019年9月1日日曜日

セミの季節

梅雨が明ける前後からお彼岸が明けて秋風が吹くころにかけて、わっぱるの森はセミの合唱で賑やかになります。最初に夏の到来を告げるのはニイニイゼミです。
ニイニイゼミ
「チーー」という単調な響きですが、途中で微妙に音程が変わり、ニイニイゼミ一種類だけが一斉に鳴く森はかえって静寂さが際立つようで、神秘的な雰囲気を醸し出します。
ニイニイゼミの抜け殻は成虫同様、ほかのセミより小ぶりで、大抵どろをかぶった状態で残っているので見分けは簡単です。
ニイニイゼミの抜け殻

ヒグラシは早朝や夕暮れ時のやや薄暗いときに限って鳴きます。「カナカナカナカナ」と、まるで薄暗さに合わせたように悲しげな響きです。
ヒグラシ
胸部の背中部分の両端に鮮やかな青いラインが走っているのが見分けのポイントです。
手に取ると美しいセミですが、木に止まっていると目立ちません。
木に止まっているヒグラシ
概ね一夏中通して鳴くのがアブラゼミです。7月に入ると森はニイニイゼミとの合唱になります。
アブラゼミ
翅が褐色で不透明ですが、木肌の色に近く目立ちません。
8月に入るとミンミンゼミの声がひときわ目立つようになります。「ミーンミンミンミンミー」とはっきりとした旋律で大きな声で鳴きます。
ミンミンゼミ
関東の方では平地でも普通に見られるセミですが、西日本では平野部ではほとんど見ることができず、このセミの声をきくと、少し得をした気分になります。
わっぱるではお盆の前後からツクツクボウシが鳴き出します。晩夏を告げるセミです。
ツクツクボウシ
「オーシンツクツク・オーシンツクツク・・・オシオーシ」というような独特の旋律で鳴きます。子どもの頃、このセミの声を聞くと残り少ない夏休みを実感し、悲しくなったものです。
今日現在、わっぱるはこのツクツクボウシが主役でミンミンゼミが脇を固めます。そして時々か細くアブラゼミが最後の力を振り絞って鳴いています。
9月に入り、セミの合唱隊も最終楽章です。(De)