大阪府能勢町の野外活動施設「豊中市立青少年自然の家わっぱる」には哺乳類から植物や菌類まで、実に様々な生きものが棲んでいます。 しかも、その一つ一つを観察していくと、それぞれが生きていくために複雑に繋がり合い、森をつくっていることがわかってきます。ここでは、その小さな一つ一つの命を紹介しようと思います。

2019年2月24日日曜日

オオルリ


輝くブルーに美しい鳴き声。バーダーの間でも人気の高い野鳥ではないでしょうか。

オオルリは、冬の間は東南アジアで過ごし、春になると日本へ渡ってくる鳥です。(繁殖のために春に日本にやってくる鳥を夏鳥といいます。ツバメも夏鳥です。)
わっぱるでは4月のはじめくらいに到着し、さえずりを開始します。
勝手な印象ですが、ハイキング道や第5炊事場など、人が多くないところから先に囀り始めているように思います。(※正確に記録をとっているわけではありません。)

オオルリは通常斜面のくぼみや木の根の隙間などに営巣する鳥です。木のうろで営巣する鳥とは違い、オープンな場所に巣をつくることがあります。
わっぱるでも、山小屋の窓のへりに営巣してしまうことが。
見つけても驚かさないであげてくださいね。






2019年2月23日土曜日

ジムグリ


とぐろを巻く赤いヘビ!一見危険な生き物に見えるかもしれませんが、どうかご安心を。
こちらは、「ジムグリ」という名前の無毒のヘビです。
赤い派手な色をしているのは幼蛇の時期だけで、大人になると茶色っぽい色へと変化します。

アオダイショウやマムシ、ヤマカガシは見たことがあっても、ジムグリを見たことのある人は少ないのではないでしょうか。
活動する時間帯が夕方だったり、日中は石の下などに隠れていたりするので、目につきにくい種類のようです。地面に潜るので、「ジムグリ」。希少かと聞かれると、そうではなく、里山だったら普通に生息している印象です。

哺乳類を好んで食べるそうで、野ネズミが子どもを産む春・秋に活発になります。
写真のジムグリは10月に見つけた個体です。捕まえて観察してみると、アオダイショウなどに比べ、おとなしくて臆病な性格であるように思いました。
どうでしょう?かわいらしい顔をしているとおもいませんか?

マムシやヤマカガシといった毒のあるヘビも生息しているので、むやみに手を出してはいけないのですが、「ヘビだから危険」と怖がりすぎずに、どんな種類か観察してみてくださいね。

2019年2月7日木曜日

アカゲラ


みなさんは「キツツキ」を知っていますか?
木にくちばしで穴を空ける、あの鳥です。
わっぱるには、キツツキが3種類生息しています。
上の写真の「アカゲラ」もそのうちのひとつ。白黒の体に、頭とお腹の赤色がよく映え、見た目にも美しい鳥です。

キツツキの仲間は尾羽の軸が強く、よくしなります。
体を尾で支えるような姿勢で木に張り付いているので、シルエットでキツツキの仲間だとわかります。
アカゲラはよく「ケッケッ」と鳴くので、姿を見つけるよりも声や木を叩く音を聞いてから見つけることが多いかもしれません。(アオゲラという鳥もいるのですが、アカゲラの声と聞き分けが難しいので、私は鳴き声を聞いたら姿を探して種を判別しています。)

冬は葉っぱが落ちるので、キツツキの仲間を見つける大チャンス。
ぜひわっぱるでバードウォッチングをしてみてください。




アカネズミ


「ネズミ」と聞いて、どんな印象を受けますか?
「汚い」「気持ち悪い」などといったマイナスのイメージを持たれる方が多いかもしれません。住宅街に出てくるドブネズミやクマネズミは、体が大きいので、見かけるとちょっと怖い印象があります。

そのような「ネズミ」のイメージを払拭すべく、わっぱるの森のネズミを紹介したいと思います。

ぱっちりした目におおきな耳。名前はアカネズミです。
雑食で、木の実も昆虫も食べます。体がちいさく、動きがかわいらしい。後ろ足の力が強いので、走ったり跳ねたりするのが得意で、ぴょんぴょんしてます。

さて、アカネズミのような森のネズミは、木の実を運んで「貯食」をすることで知られています。自分で移動ができない植物にとって、種子が動物によって運ばれることは重要で、運よく食べられずに残った種子はそこで発芽します。森づくりに貢献する生き物と思っていいでしょう。
また、キツネやイタチ類、フクロウなどにとっては、野ネズミが重要な餌資源となります。植物から肉食動物まで、多様な生き物が生息するためには欠かせない存在です。

ドブネズミやクマネズミのように、人の住む環境に入り込んだ生き物は、ときに「困った存在」として扱われてしまうものですが、同じネズミの仲間でも、アカネズミのような生き物は、森の中で重要な役割を持っています。
ひとくちに「ネズミ」という言葉で嫌わないでくださいね。

2019年2月6日水曜日

ミヤコザサの一種

ササ(笹)はどこでも普通に見られるイネ科の植物ですが、わっぱるの一部のところでは、冬、画像のように葉の周囲が白く縁取られた種類のササを見ることができます。
ササは種類も地方変異も多く、外見で種を特定することは困難とされています。平成3年の豊中市立教育研究所の資料ではわっぱるのこのササを「ミヤコザサの一種」としているので、それに拠っています。ミヤコザサは北海道から九州まで、主に太平洋側で見られ、京都比叡山で最初に発見されたのがこの名の由来とされています。(De)

2019年2月3日日曜日

蕗の薹(ふきのとう)

出ました。「ふきのとう」は多年草キク科のフキの花芽のことです。食材としても知られていて、特有の香りとほろ苦さが特徴で、てんぷらやフキ味噌は季節を感じられる早春の味として親しまれてきました。また、成長した葉柄(葉の軸)も食材になります。「♪もうすぐ春ですね~」本日撮影。(De)

2019年2月2日土曜日

ゴヨウマツ

庭木や盆栽などでも良く見られるマツの一種です。





わっぱるで幅をきかせているアカマツに比べて、どうにも地味め。
アカマツは時に見上げるような大木があるというのに、ゴヨウマツはそれほど大きいものは見たことがありません。せいぜい、3~4メートルくらいでしょうか?ハイキングコースなど、キャンプ場でもやや標高が高い場所にひっそりと生えているイメージがあります。(成長スピードが遅いのでしょうか?)

アカマツとの大きな違いはその葉っぱです。アカマツは2本(枚)で一束。ゴヨウマツは5本(枚)で一束です。「五葉松」名前の通りですね。



キャンプ場で小さめのマツを見かけた時には、ぜひ葉の本数(枚数)を確かめてみてください。(Hu)