大阪府能勢町の野外活動施設「豊中市立青少年自然の家わっぱる」には哺乳類から植物や菌類まで、実に様々な生きものが棲んでいます。 しかも、その一つ一つを観察していくと、それぞれが生きていくために複雑に繋がり合い、森をつくっていることがわかってきます。ここでは、その小さな一つ一つの命を紹介しようと思います。
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2019年12月22日日曜日

フクラスズメ

冬のわっぱるは昆虫たちが活動を控えるので、虫好きには少しさびしい気もしますが森の整備や清掃活動をしていると、いろいろなところで、成虫で越冬する虫たちと出会います。
フクラスズメです。「スズメ」とついてますが、スズメガのなかまではなく、ヤガ科になります。ややこしいですね。確かにスズメガ特有の戦闘機のような精悍な翅ではありません。
胴体はこのとおり、小鳥のスズメを思わせるモフモフの胴体が名前の由来なんですね。
山小屋の窓の桟(さん)にうずくまるようにじっとしていました。春になったらまた会えるかな?(De)

2019年8月28日水曜日

ヤママユ

ヤママユ♀
ヤママユは大型のガのなかまで、翅を広げた大きさは115~150㎜です。幼虫はコナラ、クヌギ、クリなどの葉を食べて育ちます。年一回の発生で、8~10月とされていますが上の画像は8月24日に管理棟の裏の壁面にとまっていたものです。全く同じ場所で昨年は8月23日に撮影されています。
昨年撮影のヤママユ(♀)
昨年の個体は全体に赤みがかった色合いですが、翅の模様・色合いの個体差が大きいこともこのガの特徴です。
 また、繭からとれる糸は天蚕糸(てんさんし)といい、高級な絹糸として長野県のある地域では昔から飼われ、ヤママユの養蚕が行われてきました。
明治以降、製糸が国策で行われるようになってから、皇居の一角に蚕室が設けられ、代々皇后による養蚕が行われるようになっていますが、現在は在来種の蚕と併せてヤママユによる養蚕も行われ、そのためのクヌギも植えられています。
ヤママユは日本の固有種ですが天蚕糸の生産のため、輸出もされています。
ヤママユ♀の胴体部分。「このモフモフ感がたまらなく可愛い」という人も少なくないんですよ。(De)

2019年5月28日火曜日

テングチョウ

わっぱるの水遊び場の近くに3本のエノキの若木があります。その葉の裏側にさなぎを見つけました。
テングチョウです。色が変わってきているので、近々羽化すると思われます。3月に撮った成虫の画像です。
口のあたりが突き出ているのがわかりますね。テングチョウはバルビとよばれる口の部位が発達していてその特徴から「テング」のついた和名になっています。また、このチョウは成虫で越冬し、春、暖かい日に真っ先に活動しはじめます。早春の陽だまりに現れるので春の訪れを告げるチョウでもあります。
また、このチョウはエノキで育ちます。エノキはこのチョウのほか、オオムラサキ、ゴマダラチョウ、ヒオドシチョウの食樹でもあり、ヤマトタマムシもこの木を好むなど、多くの昆虫たちが集まる木でもあります。虫だけでなく、エノキの実は多くの鳥たちの好物でもあります。エノキは多くの生きものたちと繋がっています。わっぱるにもっとたくさんエノキがあればいいなと思います。(De)

2019年3月15日金曜日

テングチョウ

 昨日は雪が舞ったわっぱるですが、今日の日中は温度も上がり、春を待ちわびた成虫で越冬していた虫たちも動き出したようです。チョウのトップバッターはこのテングチョウです。まるで、春の日差しを満喫するように、陽だまりで羽根を休めています。口の先が飛び出ていて、天狗のように見えるのが名の由来です。幼虫はエノキで育ちますので、エノキのあるところでしか見ることはありません。わっぱるにはエノキはほとんどないのですが、里山には普通にある木なので、わっぱるの周辺で繁殖しているものと思われます。テングチョウが現れると春はもうすぐです。つまり、春を運んでくるチョウですね。(De)