大阪府能勢町の野外活動施設「豊中市立青少年自然の家わっぱる」には哺乳類から植物や菌類まで、実に様々な生きものが棲んでいます。 しかも、その一つ一つを観察していくと、それぞれが生きていくために複雑に繋がり合い、森をつくっていることがわかってきます。ここでは、その小さな一つ一つの命を紹介しようと思います。
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2021年3月17日水曜日

冬芽いろいろ

 今、春がそこまできています。

わっぱるでは春を待ちわびている木々の様子を観察できます。


森に羊さんがいます。

頭のところが冬芽で顔は葉痕(ようこん)といって葉の落ちた痕(あと)です。

これはオニグルミです。


くりくりっとして栗の実のようです。

ずばり、クリの冬芽です。


植栽されたソメイヨシノです。左のふっくらしている方が花芽(はなめ)、右のほっそりしている方が葉芽(はめ)です。

今にも咲き出しそうですね。


上がカキノキ、下がクロモジです。
春を待つ姿も実に個性的ですね。(De)


2020年4月9日木曜日

鶯神楽(ウグイスカグラ)

わっぱる内を散策していると、ふと目につく花がありました。
ウグイスカグラです。













スイカズラ科スイカズラ属の落葉樹で、春先に花を咲かせます。

ラッパのような形をした赤い花が下向きに咲くのが特徴的です。














夏ごろになると赤いグミの様な実をつけます。
甘くておいしいらしいので今から夏が楽しみです。

花言葉は未来を見つめる、明日への希望…などです。(Ka)


2019年10月4日金曜日

栗(クリ)


夏も終わり、過ごしやすい季節になりました。
秋になるとわっぱるにはクリが落ち始めます。














日本ではほんのりとした甘さを生かして甘栗や栗ご飯の具、お菓子の材料等によく使われています。
日本人にはなじみ深い食べ物の一つと言えますね。(Ka)



2019年6月19日水曜日

サンショウ3兄弟

サンショウに実がなっています。サンショウはミカン科の落葉低木で若葉や実は食材や香辛料として古くから利用されてきた日本人には馴染みのある木です。ウナギの蒲焼きにつき物の粉山椒(こなざんしょう)はサンショウの果皮から作られます。
よく似たサンショウのなかまにイヌザンショウがあります。
イヌザンショウ
葉の形などにやや違いはありますが、最もわかりやすい見分けのポイントは棘の付き方にあります。
サンショウの棘は対生です。







それに対して、イヌザンショウの棘は互生(たがいちがい)です。




さらに、わっぱるには葉も大きく樹高も高いサンショウのなかま、カラスザンショウがあります。
  これらミカン科の木は多くのアゲハチョウのなかまが繁殖する木でもあります。わっぱるではカラスアゲハやミヤマカラスアゲハをよく見ます。ひときわ美しいミヤマカラスアゲハはこの3種のうちではカラスザンショウでしか繁殖しないとされています。私たち人間にとってはサンショウが重宝され、栽培までされていますが、ミヤマカラスアゲハにとってはカラスザンショウが大切な木ということになりますね。(De)
カラスザンショウの成木。





ミヤマカラスアゲハ。

2019年5月28日火曜日

テングチョウ

わっぱるの水遊び場の近くに3本のエノキの若木があります。その葉の裏側にさなぎを見つけました。
テングチョウです。色が変わってきているので、近々羽化すると思われます。3月に撮った成虫の画像です。
口のあたりが突き出ているのがわかりますね。テングチョウはバルビとよばれる口の部位が発達していてその特徴から「テング」のついた和名になっています。また、このチョウは成虫で越冬し、春、暖かい日に真っ先に活動しはじめます。早春の陽だまりに現れるので春の訪れを告げるチョウでもあります。
また、このチョウはエノキで育ちます。エノキはこのチョウのほか、オオムラサキ、ゴマダラチョウ、ヒオドシチョウの食樹でもあり、ヤマトタマムシもこの木を好むなど、多くの昆虫たちが集まる木でもあります。虫だけでなく、エノキの実は多くの鳥たちの好物でもあります。エノキは多くの生きものたちと繋がっています。わっぱるにもっとたくさんエノキがあればいいなと思います。(De)

2019年5月26日日曜日

エゴノキ

エゴノキの花が咲いています。下向きに開く純白の花は清楚さを感じさせます。
それにしても「エゴノキ」とは変わったネーミングのように思います。「エゴ」とは?
牧野植物図鑑によると果皮がのどを刺激してえごい(えぐい)から、とあります。また、別名として「セッケンノキ」、「ロクロギ」とも呼ばれ、若い実をつぶして石鹸の代用にしたり、粘りのある材質から和傘のろくろと言われる部材に用いられたりされ、日本人の暮らしとともにあった樹木であったことがうかがわれます。(De)

2019年5月22日水曜日

ナラメリンゴフシ

コナラの新芽のところに赤いおいしそうな実のようなものが付いています。
しかし、これは実ではありません。「ナラメリンゴフシ」という虫こぶと呼ばれるものです。「ナラメリンゴタマバチ」という小型のハチのメスが芽のところに産卵します。幼虫から分泌される化学物質により、異常な成長をし、このようにリンゴのようにふくらみ、幼虫はその中で育ちます。この虫こぶを割って、中をのぞいてみましょう。
中心部に小さな幼虫がいますね。幼虫たちはこの実のような虫こぶを内側から食べて大きくなります。見事な作戦と感心するばかりですが、さらにこの育った幼虫に産卵管を刺して寄生するハチのなかまがいるといいますから驚きですね。(De)

2019年4月29日月曜日

わっぱるのサクラたち(その2)

わっぱるの森ではヤマザクラの花と入れ替わるようにカスミザクラの花が咲いています。

花はヤマザクラとよく似ています。
拡大してみると花柄に毛が目立ちます。
同じ場所にある両者は花期が異なりますのでこの時期は容易に区別することができます。また、解説書などでは山地の分布はヤマザクラより上部となっていますが、わっぱるでは混在しています。
 ウワミズザクラも咲きました。わっぱるのサクラのなかまではレアものです。
総(ふさ)状に花がつくので総状花序(そうじょうかじょ)といって、サクラのなかまでは特徴のある形です。実は熟すと食べられるとあるのでちょっと楽しみです。(De)

2019年4月27日土曜日

マルバアオダモ・ザイフリボク

マルバアオダモの花が咲いています。落葉樹のこの木は若葉が出るや否や一斉に花がつきました。

「まるば」の意味は葉の形ではなく、葉の縁が鋸歯縁(ギザギザ)ではなく全縁(つるっとしている)という意味でつけられています。また、この木の材は強くて反発力があり、以前は野球のバットやテニスのラケットに用いられていました。イチロー選手が好んで使い、メジャーリーグで年間最多安打の記録を作った年はアオダモ製のバットを使っていたことは有名です。しかし、良材のアオダモは採りつくされ、今はアオダモ製のバットは製造されていないようです。
 マルバアオダモの梢に紛れてひときわ白く輝く梢があります。
ザイフリボクです。別名「シデザクラ」とも言われています。
花弁がほっそりとしているのが特徴です。よく、庭などに植えられるジューンベリーは近縁種のアメリカザイフリボクのことでジューンベリーが6月に実が熟するのに対し、ザイフリボクは9~10月に熟します。花の季節には葉の季節にはわかりにくい木の個性が際立ちます。観察にはもってこいの季節です。(De)

2019年4月12日金曜日

わっぱるのサクラたち

大阪北部の平野部ではサクラは散り始めているようです。わっぱるの入り口付近に植栽されているソメイヨシノは今、満開を迎えています。
森の中ではヤマザクラが咲き始めています。
ヤマザクラは若葉が出るのと同時に花が咲くのが特徴で、若葉はしばしば赤っぽい色をしています。また、花の付け根のがく筒や花柄にソメイヨシノは細い毛がはえているのに対し、ヤマザクラは無毛です。
ソメイヨシノのがく筒と花柄。がく筒は少しふっくらしていて毛が生えています。




ヤマザクラのがく筒は細くすっきりしていて無毛です。





ウワミズザクラというサクラもありますがまだつぼみです。
さらに、わっぱるにはカスミザクラというサクラもありますが、まだツボミは堅く、開花はさらに遅く、新緑のころになります。わっぱるのサクラの季節はこれからなのです。(De)

2019年4月5日金曜日

クロモジの花

新しい年度を迎え、ようやく春の暖かさを感じるようになりました。さあ、そうなると森の中も花が目立つようになってきます。
小さくてあまり目立ちませんがクロモジが花を付けています。クロモジはクスノキ科の落葉低木で、特有の強い芳香が好まれ、お茶席の和菓子に添えられている楊枝(ようじ)はこのクロモジで作られています。また、クロモジは雌雄異株(しゆういしゅ)で画像をよく見ると、花の中央部にひときわ長いめしべが目立ちますので雌花、すなわちこの株は雌株であることがわかります。仄かに淡い黄色の花びらは早春の清清しさを感じさせてくれます。(De)

2019年1月18日金曜日

タニウツギ

「花の季節」と言えば春をイメージされるかも知れませんが、梅雨時の6月~7月にかけても案外と色々な花が咲きます。タニウツギもそんな中の一つです。





樹高はせいぜい2~3メートル程度。普段はあまり目立たない低木ですが、花期になるとここぞとばかりにピンクの花を咲かせます。小さいピンクの花が、房状に集まりながらいくつも咲いている姿は、梅雨時の緑色の山中でひと際映えます。

雨がちな季節を楽しくしてくれる花の一つです。

2019年1月14日月曜日

ネムノキ

わっぱるには「ねむの里」というテントサイトがあります。
これはネムノキという落葉樹の名前から来ています。ネムノキは、6月から7月にかけて、綺麗でちょっと変わった花を咲かせます。





薄紅色の広がった部分は「おしべ」だそうです。木は大きいもので10m程度。大きな木に一斉に花を咲かせる様子は見ごたえがあります。
ちなみに漢字で書くと「合歓木」。中国で、夫婦円満の象徴とされているところから付けられたとか。よろこびあう木、良い名前ですよね。

わっぱる場内にもありますが、わっぱるに向かう道にも多数生えており、出勤時にこの花が見られるようになると、夏の繁忙期が始まるなあ、と身が引き締まる気持ちになります。(Hu)