大阪府能勢町の野外活動施設「豊中市立青少年自然の家わっぱる」には哺乳類から植物や菌類まで、実に様々な生きものが棲んでいます。 しかも、その一つ一つを観察していくと、それぞれが生きていくために複雑に繋がり合い、森をつくっていることがわかってきます。ここでは、その小さな一つ一つの命を紹介しようと思います。
ラベル の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2020年4月12日日曜日

筆竜胆(フデリンドウ)

場内を散策していると、可愛らしい蕾を見つけました。
フデリンドウです。














リンドウ科リンドウ属の植物で、4月頃に花を咲かせます。
日当たりのよい山に咲く野草で、空が曇っている時や、雨の日には咲かないそうです。

一つの茎に複数の花を咲かせます。
花の色は薄い青紫色です。














花言葉は真実の愛です。(Ka)

2020年4月9日木曜日

鶯神楽(ウグイスカグラ)

わっぱる内を散策していると、ふと目につく花がありました。
ウグイスカグラです。













スイカズラ科スイカズラ属の落葉樹で、春先に花を咲かせます。

ラッパのような形をした赤い花が下向きに咲くのが特徴的です。














夏ごろになると赤いグミの様な実をつけます。
甘くておいしいらしいので今から夏が楽しみです。

花言葉は未来を見つめる、明日への希望…などです。(Ka)


2019年5月26日日曜日

エゴノキ

エゴノキの花が咲いています。下向きに開く純白の花は清楚さを感じさせます。
それにしても「エゴノキ」とは変わったネーミングのように思います。「エゴ」とは?
牧野植物図鑑によると果皮がのどを刺激してえごい(えぐい)から、とあります。また、別名として「セッケンノキ」、「ロクロギ」とも呼ばれ、若い実をつぶして石鹸の代用にしたり、粘りのある材質から和傘のろくろと言われる部材に用いられたりされ、日本人の暮らしとともにあった樹木であったことがうかがわれます。(De)

2019年4月29日月曜日

わっぱるのサクラたち(その2)

わっぱるの森ではヤマザクラの花と入れ替わるようにカスミザクラの花が咲いています。

花はヤマザクラとよく似ています。
拡大してみると花柄に毛が目立ちます。
同じ場所にある両者は花期が異なりますのでこの時期は容易に区別することができます。また、解説書などでは山地の分布はヤマザクラより上部となっていますが、わっぱるでは混在しています。
 ウワミズザクラも咲きました。わっぱるのサクラのなかまではレアものです。
総(ふさ)状に花がつくので総状花序(そうじょうかじょ)といって、サクラのなかまでは特徴のある形です。実は熟すと食べられるとあるのでちょっと楽しみです。(De)

2019年4月27日土曜日

マルバアオダモ・ザイフリボク

マルバアオダモの花が咲いています。落葉樹のこの木は若葉が出るや否や一斉に花がつきました。

「まるば」の意味は葉の形ではなく、葉の縁が鋸歯縁(ギザギザ)ではなく全縁(つるっとしている)という意味でつけられています。また、この木の材は強くて反発力があり、以前は野球のバットやテニスのラケットに用いられていました。イチロー選手が好んで使い、メジャーリーグで年間最多安打の記録を作った年はアオダモ製のバットを使っていたことは有名です。しかし、良材のアオダモは採りつくされ、今はアオダモ製のバットは製造されていないようです。
 マルバアオダモの梢に紛れてひときわ白く輝く梢があります。
ザイフリボクです。別名「シデザクラ」とも言われています。
花弁がほっそりとしているのが特徴です。よく、庭などに植えられるジューンベリーは近縁種のアメリカザイフリボクのことでジューンベリーが6月に実が熟するのに対し、ザイフリボクは9~10月に熟します。花の季節には葉の季節にはわかりにくい木の個性が際立ちます。観察にはもってこいの季節です。(De)

2019年4月14日日曜日

ヤブツバキ

わっぱるの入り口付近、道路際にひときわたくさんの赤い花をつけた木があります。
ヤブツバキです。
5枚の大きな花弁の中心にたくさんのおしべがめだちます。庭や公園に植えられているいわゆる「つばき(椿)」はその多くが交配種でたくさんの種類があります。わっぱるに生えているヤブツバキは野生種で多くの園芸種のもとになっている原種でもあります。
また、この種子からとれる油は「椿油」として、化粧用や食用油などとして古くから日本人の暮らしかかせないものでした。日本人が大切にしてきた樹木の一つです。(De)

2019年4月12日金曜日

わっぱるのサクラたち

大阪北部の平野部ではサクラは散り始めているようです。わっぱるの入り口付近に植栽されているソメイヨシノは今、満開を迎えています。
森の中ではヤマザクラが咲き始めています。
ヤマザクラは若葉が出るのと同時に花が咲くのが特徴で、若葉はしばしば赤っぽい色をしています。また、花の付け根のがく筒や花柄にソメイヨシノは細い毛がはえているのに対し、ヤマザクラは無毛です。
ソメイヨシノのがく筒と花柄。がく筒は少しふっくらしていて毛が生えています。




ヤマザクラのがく筒は細くすっきりしていて無毛です。





ウワミズザクラというサクラもありますがまだつぼみです。
さらに、わっぱるにはカスミザクラというサクラもありますが、まだツボミは堅く、開花はさらに遅く、新緑のころになります。わっぱるのサクラの季節はこれからなのです。(De)

2019年4月5日金曜日

クロモジの花

新しい年度を迎え、ようやく春の暖かさを感じるようになりました。さあ、そうなると森の中も花が目立つようになってきます。
小さくてあまり目立ちませんがクロモジが花を付けています。クロモジはクスノキ科の落葉低木で、特有の強い芳香が好まれ、お茶席の和菓子に添えられている楊枝(ようじ)はこのクロモジで作られています。また、クロモジは雌雄異株(しゆういしゅ)で画像をよく見ると、花の中央部にひときわ長いめしべが目立ちますので雌花、すなわちこの株は雌株であることがわかります。仄かに淡い黄色の花びらは早春の清清しさを感じさせてくれます。(De)

2019年3月22日金曜日

シキミ


シキミの花が咲きはじめました。シキミは古来より、仏様に供える植物として大切にされてきましたので、日本人にとっては馴染み深い木といえます。成木もせいぜい2~5mとさほど高くなく、わっぱるの森ではヒサカキ、アセビなどとともに林床部を構成する常緑樹です。濃い緑の中に散りばめられたように咲く淡い黄色の花々は見ごたえがあります。しかし、この木は有毒植物で、特に実に含まれるアニサチンという物質は猛毒で誤食すると死に至る場合があります。観察プログラムなどでは誤って口に入れることのないように十分な注意を要する植物でもあります。(De)

2019年1月27日日曜日

ササユリ

Q:豊中市の「市の花」は「バラ」です。では、「わっぱる」がある能勢町の「町の花」は何でしょう?

「わっぱる」の館内クイズラリー「能勢のせ検定」の問題の1つですが、答えは「ササユリ」です。わっぱるでも、6月の梅雨ごろに毎年花を咲かせてくれます。





茎や葉が「ササ」に似ていることからこの名前。森の下草の中からピョコンと顔を出して花を咲かせている姿は、この時期の山での楽しみです。

2019年1月18日金曜日

タニウツギ

「花の季節」と言えば春をイメージされるかも知れませんが、梅雨時の6月~7月にかけても案外と色々な花が咲きます。タニウツギもそんな中の一つです。





樹高はせいぜい2~3メートル程度。普段はあまり目立たない低木ですが、花期になるとここぞとばかりにピンクの花を咲かせます。小さいピンクの花が、房状に集まりながらいくつも咲いている姿は、梅雨時の緑色の山中でひと際映えます。

雨がちな季節を楽しくしてくれる花の一つです。

2019年1月16日水曜日

ツチアケビ

別名「森のソーセージ」。



わっぱる林の中を歩いていると、たまに毒々しい赤色の房が生えておりぎょっとさせられます。茎の高さは大きいもので50cm程度でしょうか?
「ツチアケビ」の名前の通り、どことなく「アケビ」に似ています。ただ、臭みと苦みで食べるのは難しいようです。私も食べたことはありません。(漢方薬にはなっている模様)。

ランの仲間で、花はこんな感じ。


光合成を行いません。どうもキノコの「ナラタケ」の菌と一緒に生活し、菌が作り出す栄養を貰っているようです。(Hu)

2019年1月14日月曜日

ネムノキ

わっぱるには「ねむの里」というテントサイトがあります。
これはネムノキという落葉樹の名前から来ています。ネムノキは、6月から7月にかけて、綺麗でちょっと変わった花を咲かせます。





薄紅色の広がった部分は「おしべ」だそうです。木は大きいもので10m程度。大きな木に一斉に花を咲かせる様子は見ごたえがあります。
ちなみに漢字で書くと「合歓木」。中国で、夫婦円満の象徴とされているところから付けられたとか。よろこびあう木、良い名前ですよね。

わっぱる場内にもありますが、わっぱるに向かう道にも多数生えており、出勤時にこの花が見られるようになると、夏の繁忙期が始まるなあ、と身が引き締まる気持ちになります。(Hu)

2019年1月13日日曜日

センブリ

秋ごろになると、キャンプ場内の日当たりの良い道端に見ることができます。草丈は10~20cm程度でしょうか。


















紫の筋がある白色の可愛い花が目印。よく昆虫も集まっています。














昔から胃を健康に保つ薬として活用されてきました。葉っぱには強い苦みがあります。
「千回身震いするほど苦い草」「お湯の中に千回振り出しても苦みが残る」からセンブリと名付けられた、という説もあります。
名前負けしていない苦さだと個人的には思います。興味のある方は、場内で見つけた時に葉っぱを一枚いただいてぜひ口に含んでみてください。悶絶間違いなしです。(Hu)

2019年1月11日金曜日

アセビ

アセビはわっぱるではヒサカキの次くらいにありふれた常緑樹です。
樹高は高くありません。高いものでもせいぜい3m程度でしょうか。少しねじれた感じの幹と、楕円形の葉が特徴です。
毒がある植物でもあります。アセビを「馬酔木」と書くことがあります。葉っぱを食べた馬が、毒にあたって酔ったようにふらつくところから名付けられたとか。





2月~3月頃につぼ状の花が房となり垂れ下がります。ウメやサクラより少し早く、わっぱるの早春を告げてくれます。
ウメ、モモ、サクラなど、強豪ぞろいの春の花に比べると地味ですが、それでも寒さの残る山を彩ってくれます。

ところで、万葉集にもアセビを読んだ歌がたくさんあります。花が稲穂に似ているため、縁起が良かったからとも言われています。
この恋歌など、場内に咲くアセビの花を見ながらだと、年甲斐もなくキュンとしてしまいますね。↓

我が背子に 我が恋ふらくは 奥山の 馬酔木の花の 今盛りなり (作者不明)

(あなたのことを恋しいと思っている私の心は、まるで奥山に咲く馬酔木の花のように、密かに秘められて、でも溢れんばかりです) (Hu)