大阪府能勢町の野外活動施設「豊中市立青少年自然の家わっぱる」には哺乳類から植物や菌類まで、実に様々な生きものが棲んでいます。 しかも、その一つ一つを観察していくと、それぞれが生きていくために複雑に繋がり合い、森をつくっていることがわかってきます。ここでは、その小さな一つ一つの命を紹介しようと思います。

2019年2月7日木曜日

アカネズミ


「ネズミ」と聞いて、どんな印象を受けますか?
「汚い」「気持ち悪い」などといったマイナスのイメージを持たれる方が多いかもしれません。住宅街に出てくるドブネズミやクマネズミは、体が大きいので、見かけるとちょっと怖い印象があります。

そのような「ネズミ」のイメージを払拭すべく、わっぱるの森のネズミを紹介したいと思います。

ぱっちりした目におおきな耳。名前はアカネズミです。
雑食で、木の実も昆虫も食べます。体がちいさく、動きがかわいらしい。後ろ足の力が強いので、走ったり跳ねたりするのが得意で、ぴょんぴょんしてます。

さて、アカネズミのような森のネズミは、木の実を運んで「貯食」をすることで知られています。自分で移動ができない植物にとって、種子が動物によって運ばれることは重要で、運よく食べられずに残った種子はそこで発芽します。森づくりに貢献する生き物と思っていいでしょう。
また、キツネやイタチ類、フクロウなどにとっては、野ネズミが重要な餌資源となります。植物から肉食動物まで、多様な生き物が生息するためには欠かせない存在です。

ドブネズミやクマネズミのように、人の住む環境に入り込んだ生き物は、ときに「困った存在」として扱われてしまうものですが、同じネズミの仲間でも、アカネズミのような生き物は、森の中で重要な役割を持っています。
ひとくちに「ネズミ」という言葉で嫌わないでくださいね。

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