大阪府能勢町の野外活動施設「豊中市立青少年自然の家わっぱる」には哺乳類から植物や菌類まで、実に様々な生きものが棲んでいます。 しかも、その一つ一つを観察していくと、それぞれが生きていくために複雑に繋がり合い、森をつくっていることがわかってきます。ここでは、その小さな一つ一つの命を紹介しようと思います。

2019年9月11日水曜日

ニホンミツバチ

たくさんのニホンミツバチが固まりになって群がっています。分蜂(ぶんぽう)です。分蜂とは一つの巣の中で新しい女王蜂が生まれるとそれまでの女王蜂は約半数の働き蜂たちとともに新しい巣を求めて古い巣を出ます。つまり、子どもの世代に住んでいた家を譲って出ていくという習性があるのです。そして、新しい場所を探す担当の働き蜂が新しい棲家を見つけるまで、一旦、女王蜂を中心にしてこのように塊になるのです。
 こんな蜂の大群を目にすると、とても恐ろしく感じますが、ミツバチのなかまは蜂の中でもいたって大人しい種で働き蜂(全てメス)は毒針を持っているものの、巣を襲ったりしない限り人を刺すことはありません。そのため、人工的な巣箱で飼育され、人間においしい蜂蜜を提供してくれます。
 とはいっても、市販されている蜂蜜のほとんどはセイヨウミツバチという外国由来の種の蜂蜜です。ニホンミツバチの飼育はセイヨウミツバチと較べてずっと難しいようです。それでも、ニホンミツバチの蜂蜜は高値で取り引きされるため一部の養蜂業者では飼育され、蜂蜜が市販されています。また、一部の愛好家は飼育に挑んでいます。愛好家によるとニホンミツバチは「可愛くてたまらない」そうです。
 この2種類は見かけ上よく似ていますがセイヨウミツバチがやや大きく、腰のあたりの黄色っぽい帯が目立つことで見分けることができます。平野部の公園の花壇などではこの2種類のミツバチが花に集まり、蜜や花粉を集めている様子を観察できることもあります。(De)

セイヨウミツバチ(宝塚市で撮影)

0 件のコメント:

コメントを投稿