大阪府能勢町の野外活動施設「豊中市立青少年自然の家わっぱる」には哺乳類から植物や菌類まで、実に様々な生きものが棲んでいます。 しかも、その一つ一つを観察していくと、それぞれが生きていくために複雑に繋がり合い、森をつくっていることがわかってきます。ここでは、その小さな一つ一つの命を紹介しようと思います。

2019年5月12日日曜日

アワフキムシ

ノイバラの若い枝に泡が付いています。指ですくってみると、
何か動いているものがいます。









アワフキムシの一種シロオビアワフキの幼虫です。
アワフキムシのなかまは成虫・幼虫とも植物の茎から水分とそこに含まれるわずかな養分を吸って生きています。幼虫はその水分と自身の排泄物で石鹸状の液体をつくり泡にしてその中で暮らします。この液体は界面活性作用がありますのでほかの虫などが一旦この液体にまみれるとたちまち窒息してしまいます。この泡で自身を守っているというわけです。自分たちは尾の先がシュノーケル状になっているので先を泡の外に突き出して呼吸をします。また、吸い込んだ空気を尾を引っ込めてから吐き出し、液体を泡状にしていきます。
昆虫の生態は多様ですが身を守る方法もまた、実に多様なんですね。(De)


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